Au Revoir Kyoto vol.3(Buddha cafe)

京都のお話の最終回です。


10月30日(日曜日)の最終日は、お世話になった方のお宅の離れを出て、まず恵文社へ。何度来てもいいですね、ここは。ゆっくりゆっくり棚を回遊して、恵文社メイドの小冊子『本屋の窓からのぞいた{ちょっと昔の}京都』(http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/096000000152/153/000/order/)なんてのを買ったりしました。この冊子は、帰りの新幹線ですぐに読んじゃった。とてもおもしろい、30年前、40年前の京都のことが書かれています。


で、そのあとは四条河原町まで出て、徳正寺(富小路四条下ル)さんへ。ご存知の方も多いと思いますが、ここは扉野良人さんがいらっしゃるお寺ですね。繁華街のど真ん中にこんなお寺があるということがまず第一にスゴいですし、第二には、にもかからわず富小路を入り、お寺の中に入れていただくと、驚くほど静かだ、ということがまたスゴいわけです。


またしても道に迷って(迷うような道じゃないんですよ!)、decoさんに電話して教えてもらって、着いたら扉野さんが門のところで待っててくださった。ほんとにもう、ご面倒おかけいたします。


なんでここへうかがったかというと、扉野さんは少し前からブッダ・カフェ(Buddha cafe http://d.hatena.ne.jp/tobiranorabbit/
)という試みをされていて、これはそもそも、震災後、難を逃れて京都に来られている方々のお話を皆で聞こう、そのための機会・場所を作るためだった、といいます(間違っていたら、どなたか指摘してください)。それから、毎回、テーマ、ということでもないのかもしれませんが、三々五々、人が集まって、お茶とお菓子をいただきながら、ゆっくりお話をする、という会が続いていて、この日はちょうど、ぼくも参加・執筆をさせてもらった「旅と本の小冊子 DECO・CHAT(デコ・シャ)」(http://halfmoonstreet125.cocolog-nifty.com/)の発行人であるdecoさんがお話をされる、ということだったからです。


お話の前と後に扉野さんの読経があって(この時は袈裟をお召しになる)、まずこれでとても新鮮な気持ちになります。「ああ、いい場所にいるなあ」と、いうような。


そしてお話は、全部で十名くらいの、もちろん初対面の方のほうが多く、その中でdecoさんが『DECO・CHAT』という冊子をどうして作ろうと思ったのか、どんな気持ちで作ったのか、そしていま、どう考えているのか、をお話されたわけですが、ずっとそのお話を拝聴している、というわけでもなく、それどころか『DECO・CHAT』の話からどんどん逸脱して、なぜかボーイスカウトの話になったり、生物って何? いきものってどういうこと? みたいなまとまりのない、とりとめのない、境目のない、終わりのない、話になって、そのあいだ、何回もお茶のお代わりをしながら、午後の1時から5時くらいまで、そんな感じで過ごしてきました。


途中から荻原魚雷さんが来られて(東京から到着して合流)、「あれ? なんでここにいるの?」って顔してたのがおかしかったな。


昨日まで何のご縁もなかった、年齢もバラバラな人たちが集まって、しかも皆さん、特別本好き、というわけでもない方ももちろんいらして、扉野さんも特に話をどんな方向に導こうともせず、成り行き任せといえば成り行き任せ、ゆるやかなようでいて緊張感もあって、それはやはり、お寺、という場所の公共性や、歴史的に担って来た役割や、そんなこんなが2011年の、震災から7ヶ月経った西の古都にはちゃんと、そういう場所があって、なんというのかな、皆さんも機会があったら一度、ブッダ・カフェ、行ってみるとよろしいよ、と、思うのです。


お寺を出ると雨で、会がお開きになったあと、皆さんは有志で、メリーゴーランド京都でやっている平出隆さんの「via wwalnuts展」(http://www.wwalnuts.jp/vww/)に出かけていったのですけれど、自分は新幹線の時間も迫っていたので、ここで失礼をしたのでした。





とまあ、こんなような京都の3日間で、今回はずいぶん、多くの方々にお目にかかり、お世話になりました。ここにあらためて、御礼申し上げます。多謝。




昨日、編集室「屋上」(http://www.studio-iwato.com/okujo/)の林さやかさんとお会いして、「屋上」が作った最初の本、二階堂和美さんの『しゃべったり 書いたり』のことなどをうかがいましたが、そういうわけで二階堂和美さんの「女はつらいよ」。この方も、僧侶、でありますね。


なんだかきょうの日記はURLが多く(それもまた愉し)、読みづらかったら、ごめんなさい。