日々のカーペンターズ。

実を言うと、しょっちゅう、お金のことを考えています。映画とか、本とか、音楽とか、カッコつけてああだこうだと言ってはいても、本当に気になっているのは、毎月、どうやってやりくりしていこうかということ。


払ってもらえない金があり、またいっぽうで、自分のせいで未払いに巻き込んでしまっている人が複数、いる。そんな状態が、もう3年も続いているのです。


ダメだ、やっぱりこんなことは書くべきじゃないな(笑)。きっとあとで削除します。


そしてきょうは、なんとこの世知辛いご時世、本来の支払い日よりも2ヶ月近くも前倒しで、ギャラを支払ってくれた人がいたのでした。仕事を振ってくれたうえに、こんな優遇まで。そういう人も、いるのですなあ。


おかげで、おだやかな週末が送れそうです。感謝!


とまあ、こんな話題じゃアレですから、カレン・カーペンターのアルトの魅力について書きたいと思います。カーペンターズは小学生の頃から好きだったんですけど、高校生や大学生の頃は、男がカーペンターズ好き、というのは、なかなか言えない雰囲気があったんですね。


そこで、「カーペンターズ? たまに聴くといいですよね」なんて不毛なカモフラージュの時代を送っていたのが、どんどん歳を取り、カレンが痛ましい最期を迎え、そして自分も40を過ぎたおっさんになってみると、これがまあ、ハッとするほど魅力的な音楽だということに気がつくんです。


特に、カレンの低音、アルトヴォイスの奇跡的な輝き。ちょうど、トリュフォーの映画に出てくる(『恋のエチュード』や『緑色の部屋』)ロウソクの炎みたいな質感だと思います。あるいは、たくさんのロウソクが置かれた暗い部屋の、カーテンやカーペットの質感。


いまからちょうど40年前の曲「Superstar」で言うなら、歌詞のBaby, baby, baby, baby, oh, baby と、やや高音が続いたあと


  I love you I really do


の、「love」と「do」の低音の伸び、これが最高です。


誤解を怖れずに書けば、こんな上品な音楽には、今ではとんとお目にかかれない、と思います。彼女はドラマーでもあり、そのドラミングもイイですね。


と、いうわけで、すごくメジャーなのに、皆さん、ぜったいに日常的には聴いていないだろうカーペンターズの世界を無理やり紹介し、前半のショボい金の話を忘れたところで(忘れましたね?)、おやすみなさい。


明日も「ガリガリ君」梨味、食べよう。